歯並びが悪いと、口元を気にして表情が硬くなるばかりか、
よく噛めずに胃腸障害を起こしたり、むし歯や歯槽膿漏にもなりやすくなります。
お子さまの場合は顎の成長や顔かたちにも影響を及ぼすため、
歯並びが気になったらまずは早めの検診をおすすめします。

気になる歯並びの例

叢生(八重歯、乱ぐい歯)

歯が重なりあっている状態を叢生〈そうせい〉(八重歯、乱ぐい歯)と言います。叢生の場合、歯ブラシがゆきとどかず汚れが残りやすくなります。

反対咬合(うけ口)

下の歯が上の歯より前に出ている咬み合わせを反対咬合〈はんたいこうごう〉(うけ口)と言います。うけ口の人は、食べ物がよく噛めないだけでなく聞きとりにくい話し方になります。また、顔つきもしゃくれたかんじになります。

上顎前突(出っ歯)

上の歯が前に出ている咬み合わせを上顎前突〈じょうがくぜんとつ〉(出っ歯)と言います。歯が出ていると、折れたりくちびるを切ったりしやすく見た目もよくありません。

開咬

奥歯は咬んでいても、前歯が咬み合わずに開いているものを開咬〈かいこう〉と言います。いつまでも指をしゃぶっていたり、舌を出す癖があったり、鼻のとおりがよくないことから、口で呼吸をしてしまうことなどから起こります。開咬は、前歯で食べ物を噛めないばかりでなく、正しい発音もできません。

矯正治療の流れ

初診(カウンセリング)

最初にカウンセリング(お子さまの場合は保護者とご一緒に)を行います。口内を撮影し、歯ならびや噛み合わせの問題を見極め、治療開始時期や治療期間、費用、矯正装置などのご説明を行います。不安や心配事は、納得出来るまでご相談ください。

検査

矯正治療に必要な検査やX線撮影、歯形の模型を製作。現在の不正咬合の状態を正確に把握し、治療計画を作成します。

診断

検査結果を元に、不正咬合の原因と具体的な治療計画(治療法に合わせた矯正装置、治療期間、費用など)について詳しくご説明します。ご了解をいただいた後、装置を入れるための準備に入ります。

むし歯の検査

むし歯などがある場合は、矯正装置を着ける前に治療を済ませます。

クリーニング

口腔内の虫歯菌や雑菌、汚れをキレイにクリーニングします。

治療開始

いよいよ装置を装着していきます。歯に一本づつブレース(ワイヤーを通し固定する器具)を接着し、ワイヤーを通して調整しながら少しずつ歯を動かしていきます。装置装着後は歯磨きや注意点などのご指導を行い、痛み止めのワックスをお渡しします。

通院

装置装着中は月1回の来院が必要になります。歯が順調に動いているかを確認し、次のステップへ向けて矯正装置の調整を行います。個人差はありますが早い人で約1年、平均2年ほどかけて治療を続けます。

保定

歯ならびが揃い、噛み合わせがよくなったら装置を外します。撤去後、移動した歯は不安定で元の位置に戻ろうとするのでこれを防ぐため保定装置(リテーナー)を装着します。リテーナーはとり外せるマウスピースのようなもので、食事以外は就寝時も使用していただきます。保定期間は、矯正と同程度の期間が必要になります。

定期検診

装置が外れてからもメンテナンスのための通院が必要です(最初は1ヶ月に1回、その後は3ヶ月に1回、半年に1回程度)。万が一歯列に乱れが生じてしまった場合でも、きちんと定期検診を受けていれば軽度の治療で済みます。矯正は装置が外れたら終わりではなく、定期的なメンテナンスで美しく整った歯列を維持していくことが重要です。